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    <title>cattiveria.com weblog / archive</title>
    <link>http://www.cattiveria.com/blog/</link>
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      <title>cattiveria.com weblog / archive</title>
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    <item>
 <title><![CDATA[海辺のカフカ #012 by haruki_m]]></title>
 <link>http://www.cattiveria.com/blog/index.php?itemid=79</link>
<description><![CDATA[<p>「オレの見る限りでは、あんたは頭は悪くないみたいだけどね」</p><br />
<p>「そうでありましょうか」とナカタさんは首をひねって言った。「しかしオオツカさん、今となりましてはナカタはもう60をとっくに過ぎてしまいました。60を過ぎますと、頭の悪いことにも、みんなに相手にされないことにも、慣れてしまいます。電車に乗れなくても生きていけます。お父さんはなくなりましたので、もうぶたれることもありません。お母さんもなくなりましたので、もう泣くこともありません。ですので、今さら急にお前の頭は悪くないと言われましても、ナカタはかえって困るかもしれません。頭が悪くなくなったせいで、知事さんからホジョがいただけなくなるかもしれません。とくべつパスで都バスに乗れなくなるかもしれません。なんだ、お前は頭が悪くないじゃないかと、知事さんにしかられたら、ナカタは返事のしようがありません。ですので、ナカタはこのまま頭が悪いままでいいような気がするのであります」</p><p>「オレが言いたいのはね、あんたの問題点は、頭の悪いことにあるんじゃないってことなんだよ」とオオツカさんはまじめな顔で言った。</p><br />
<p>「そうでありましょうか？」</p><br />
<p>「あんたの問題点はだね、オレは思うんだけど、あんた…ちょっと影が薄いんじゃないかな。最初に見たときから思ってたんだけど、地面に落ちている影が普通の人の半分くらいの濃さしかない」</p><br />
<p>「はい」</p><br />
<p>「オレはね、前にも一度そういう人間を見たことがある」</p><br />
ナカタさんは口を少し開き、オオツカさんの顔を見た。「前に見たことがあると申されるのは、つまり、ナカタのような人間のことでありましょうか？」</p><br />
<p>「ああ。だからオレはあんたがしゃべったときにも…そんなに驚かなかったんだ」</p><br />
<p>「それはいつごろのことでありましょうか？」</p><br />
<p>「ずっと昔、まだオレが若かった頃のことだね。でも顔も名前も場所も時間も、何も思い出せない。さっきも言ったように、猫にはそういう意味での記憶ってのはないからな」</p><br />
<p>「はい」</p><br />
<p>「そしてその人の影も、半分はどこかにはぐれているみたいだった。同じように薄かったね」</p><br />
<p>「はい」</p><br />
<p>だからあんたもどっかの迷子の猫を探すよりは、ほんとは自分の影の残り半分を真剣に探したほうがいいんじゃないかと思うけどね」</p><br />
<br />
<p>上 巻　P.086-088</p><br />
<p>新潮社 ISBN: 4101001545 ; 上 巻</p>]]></description>
 <category>/expressiveness</category>
<comments>http://www.cattiveria.com/blog/index.php?itemid=79</comments>
 <pubDate>Fri, 22 Jun 2007 16:46:00 +0900</pubDate>
</item><item>
 <title><![CDATA[ストレンジデイズ #004 by ryu_m]]></title>
 <link>http://www.cattiveria.com/blog/index.php?itemid=78</link>
<description><![CDATA[<p>「…でも、どっちも一緒なんだよ、結局つまらないことをやってるし、ありとあらゆるものがね、つまりわたしが言っているのは教科書とかテレビとか週刊誌とかそういうものすべてのものがどうでもいいことばかり言ってて、でも本当は悪いけどどうでも良くなんかないんだよ、どうでもよくないことが本当はあってそれを捜そうとすることがね、捜そうとしてもね、ああ、わからない、わからないよ、ソリマチさん、絶対にうまく言えないよ。わたしはサナダ虫を大切にしてきたわけでもないんだよ」</p><p>誰かに言わなければいけないんだ、捜さなくてはいけないってね、どうでもよくはない何かっていうのは捜そうとしてなければ見つからないんだから、捜さなくてはいけないってね言うべきなんだが、オレも誰かに言ったことはないし、言われたこともないよ、</p><br />
<p>P.138</p><br />
<p>講談社 ; ISBN: 4062649144 ; (2000/08) </p><br />
<br />
]]></description>
 <category>/life & survive</category>
<comments>http://www.cattiveria.com/blog/index.php?itemid=78</comments>
 <pubDate>Tue, 19 Jun 2007 16:44:42 +0900</pubDate>
</item><item>
 <title><![CDATA[どこにでもある場所とどこにもいないわたし #005 by ryu_m]]></title>
 <link>http://www.cattiveria.com/blog/index.php?itemid=77</link>
<description><![CDATA[<p>誰もが自分の食べたいものを食べていて、無理をしていない。等身大という言葉があるが、居酒屋は常に等身大で、期待を大きく上回ることはないが、期待を大きく裏切ることもない。</p><p>だが、居酒屋には他人というニュアンスを感じる人間はいない。西麻布の店で、その男を初めて見たとき、この人は他人だと思った。この男の人は自分とは別の人間であるということが、まるで体臭のように伝わってきた。よく磨かれた半透明のガラスの板がわたしたちの間に立て掛けられているようだった。たとえばトシと一緒にいるときわたしはそういうことは思わない。もちろんわたしとトシは違う人間だ。だが、別に抱き合ったりエッチしていたりするわけでもないのに、トシと一緒にいるだけで、自分のからだとトシのからだの境界が曖昧になることがある。たとえばわたしはテレビを見ていて、トシも同じテレビ画面を見ている。同じ箇所で二人は笑う。テレビを見て笑っているのか、一緒に笑うためにテレビを見ているのかわからなくなってくることもある。またたとえばわたしが雑誌を読んでトシはコミックスを見ている。そういうとき、違うものを見ているのに何だか溶け合っているような感じがする。トシの部屋が広くないせいかもしれないが、トシの部屋にいるとき、自分とトシのからだや心の境界がわからなくなる。そういうときに、時間的な境界も溶けていくような気がする。過去と現在と未来が混じり合って、自分が一億年も前からこうやってトシと一緒にテレビを見たり雑誌を見たりしていて、これからも永遠にテレビを見たり雑誌を見たりするだろうと思ってしまう。それはぞっとする感覚だ。<br><br />
　トシはどういうわけかわたしに負い目を持っていて、妙に気を使うが、暴力を振るうようなことはない。直美の元の彼氏はよく暴力を振るったそうだ。その彼氏に踵で蹴られて、直美の奥歯は一本折れているらしい。よく言い争いをするが、トシから殴られたことはない。直美はその暴力的な彼氏と一緒にいるときひどく緊張したのだそうだ。いつ彼氏が暴力を振るうのか不安で常に緊張していたらしい。記憶を正確に辿ってみるとその緊張はそんなに嫌いじゃなかった、と直美は言ったことがある。目に見えないガラス板が二人の間にあって、それがいつ割れるかわからないという感じだったと直美は言っていた。<br><br />
わたしは、わたしとその男の人との間に目には見えないガラス板があるような気がして緊張した。手書きの名刺を渡すと、君は画家か、とその男の人は言った。そんなぁ、違いますよ、とわたしは笑った。画家か、と言われてひどく恥ずかしくなった。画家がどんな人種かわからなかったので、画家ってどういう人なのですかね、とその男の人に聞いた。毎日、しかも一日に二十時間、絵を描き続けても飽きない人間が、画家だ、その男の人はそう答えた。</p><br />
<br />
<p>/ 「居酒屋」 P.037-039</p><br />
<p>文藝春秋 ; ISBN: 4163217703 ; (2003/04/24)</p>]]></description>
 <category>/how to work</category>
<comments>http://www.cattiveria.com/blog/index.php?itemid=77</comments>
 <pubDate>Thu, 7 Jun 2007 05:03:00 +0900</pubDate>
</item><item>
 <title><![CDATA[どこにでもある場所とどこにもいないわたし #004 by ryu_m]]></title>
 <link>http://www.cattiveria.com/blog/index.php?itemid=76</link>
<description><![CDATA[<p>他人の笑い声は暴力的だ。二人の主婦の笑い声が聞こえてきたとき、ぼくの目の前にいる老人は飲むヨーグルトのほうに伸ばした手の動きを止めた。老人はその笑い声が起こったほうに首を回したが、対象に正対する前に首の動きを止めた。老人の顔は、乳飲料の棚と、笑い声が起こった方向のちょうど中間あたりで止まった。そのあと老人の顔が変化した。きっと不愉快になったのだと思う。自分の知らないところで、何かが起こり、それは笑い声として彼まで届いた。自分はそのことに関わりがない。その笑い声は老人に向けた何らかの信号ではない。老人は自分が笑われたのではないかと思っているわけではないが、なぜ二人の主婦がわかったのかわからない。笑い声は、このコンビニの外の通りを走るサイレンの音とは違う。救急車の音は外の世界の出来事で、二人の主婦の笑い声は完全に外の世界の出来事だとは言えない。</p><p>ラジオにつながったイヤフォンから聞こえてくる声と笑い声だから祖母は安心して表情を緩ませることができた。笑い声が病室の中で響いたら緊張しただろう。ラジオやテレビは安心だ。テレビの画面でタレントがワニに食われそうになっても、自分の外の出来事だと最初からわかっているので緊張しなくて済む。それにテレビから聞こえてくる笑い声と一緒に自分も笑うことができる。しかし自分に関わりのあるところで笑い声が聞こえてきたらそういうわけにはいかない。テレビのバラエティを見ているときに、バラエティの内容とは関係なく、部屋の中で友人や家族の笑い声が突然聞こえてきたら誰だって緊張するだろう。</p><br />
<p>/ 「コンビニ」 P.012-013</p><br />
<p>文藝春秋 ; ISBN: 4163217703 ; (2003/04/24)</p>]]></description>
 <category>/communication</category>
<comments>http://www.cattiveria.com/blog/index.php?itemid=76</comments>
 <pubDate>Tue, 5 Jun 2007 12:03:01 +0900</pubDate>
</item><item>
 <title><![CDATA[海辺のカフカ #011 by haruki_m]]></title>
 <link>http://www.cattiveria.com/blog/index.php?itemid=75</link>
<description><![CDATA[<p>通りにはやはり人の姿は見えない。盆地を横切って美しい川が流れ、通りに沿って小さな建物が並び、等距離を置いて並んだ電柱が地面に濃い影を落としている。僕は一瞬そこに凍りついてしまう。たとえなにがあろうとそこに引きかえさなくてはと思う。せめて夕暮れまでそこにとどまろう。夕暮れになれば、ズックの袋を持った少女が僕の部屋にやってくる。僕が必要とすれば、彼女はいつもそこにいる。胸が急に熱くなり、強い磁力が僕をうしろに引き戻す。足がまるで鉛を埋めこまれたみたいに動かなくなる。ここを過ぎてしまえばもう二度と彼女に会うことはできないんだ。僕は立ち止まる。僕は時間の足取りを見失ってしまう。前を歩いていく兵隊たちの背中に声をかけようとする。僕は戻らない、やっぱりここにとどまります、と。でもそれは声にならない。言葉は生命をうしなってしまっている。</p><p>僕はそのとき空白と空白とのあいだにはさみこまれている。なにが正しくてなにが正しくないのか見きわめることができない。自分がなにを求めているのかさえわからない。僕は激しい砂嵐の中にひとり立っている。自分がのばした手の先だって見えない。どちらに行くこともできない。骨を砕いたような白い砂が僕をすっぽりと包んでいる。でも佐伯さんがどこかから僕に語りかける。「それでもあなたは戻らなくちゃいけないのよ」と佐伯さんはきっぱりと言う。「私がそれを求めているのよ。あなたがそこにいることを」<br />
呪縛がとける。僕はもう一度ひとつになる。僕の身体に暖かい血が戻ってくる。それは僕が彼女からゆずられた血だ。彼女の最後の血だ。次の瞬間には僕は前を向いて、兵隊たちのあとを追っている。僕は角を曲がり、そして山あいの小さな世界は視界から消える。それは夢と夢のはざまに飲み込まれてしまう。そのあとは森の中を抜けることだけに意識を集中する。道は見失わないこと。道からはずれないこと。それが何よりも重要だ。</p><br />
<br />
<p>入口はまだ開いている。夕暮れまでにはまだ時間がある。僕は二人の兵隊に礼を言う。彼らは銃を下ろし、前と同じように大きな平べったい石の上に腰かける。背の高い兵隊は草を口にくわえる。彼らはやはり息ひとつ切らしていない。<br><br />
「銃剣のことは忘れないようにね」と背の高い兵隊が言う。「相手を刺したら、それをぎゅっと横にねじるんだ。そしてはらわたを裂く。そうしないと、君が同じことをやられる。それが外の世界だ」<br><br />
「でもそれだけでもない」とがっしりしたほうが言う。<br><br />
「もちろん」、背の高い兵隊が言う。そしてひとつ咳払いする。「僕は暗い側面を語っているだけだ」<br><br />
「それに善悪を判断するのはとてもむずかしい」とがっしりした兵隊が言う。<br><br />
「たぶん」とがっしりした方が言う。<Br><br />
「もうひとつ」と背の高い方が言う。「ここをいったん離れたら、目的地に着くまで、君は二度とうしろを振りかえっちゃいけないよ」<Br><br />
「それはとても大事なことだ」とがっしりしたほうが言う。<Br><br />
「さっきはなんとか切り抜けられた」と背の高い方が言う。「でも今度はほんとうに真剣な話だ。そこに着くまで、うしろは振り向いちゃいけない」<Br><br />
「ぜったいに」とがっしりした方が言う。<Br><br />
「わかりました」と僕は言う。<Br><br />
僕はもう一度礼を言い、二人に別れを告げる。「さようなら」と僕は言う。<Br><br />
彼らは立ちあがり、かかとを合わせて敬礼をする。僕が彼らに会うことはもう二度とないだろう。僕はそれを知っている。彼らもそれを知っている。そのようにして僕らは別れる。</p><br />
<br />
<p>下巻　P.385-388</p><br />
<br />
<p>新潮社 ; ISBN: 4101001553 ; 下 巻</p><br />
]]></description>
 <category>/life & survive</category>
<comments>http://www.cattiveria.com/blog/index.php?itemid=75</comments>
 <pubDate>Sat, 2 Jun 2007 06:05:00 +0900</pubDate>
</item><item>
 <title><![CDATA[海辺のカフカ #010 by haruki_m]]></title>
 <link>http://www.cattiveria.com/blog/index.php?itemid=74</link>
<description><![CDATA[<p>大島さんは鉛筆の消しゴム部分をこめかみに何度か軽く押す。電話のベルがなりはじめるが、彼はそれを無視する。<br><br />
「僕らはみんな、いろんな大事なものをうしないつづける」、ベルが鳴りやんだあとで彼は言う。</p><p>「大事な機会や可能性や、取り返しのつかない感情。それが生きることのひとつの意味だ。でも僕らの頭の中には、たぶん頭の中だと思うんだけど、そういうものを記憶としてとどめておくための小さな部屋がある。きっとこの図書館の書架みたいな部屋だろう。そして僕らは自分の心の正確なありかを知るために、その部屋のための検索カードをつくりつづけなくてはならない。掃除をしたり、空気を入れ換えたり、花の水をかえたりすることも必要だ。言い換えるなら。君は永遠に君自身の図書館の中で生きていくことになる」<br><br><br />
僕は大島さんの手の中にある鉛筆を見ている。それは僕をひどくつらい気持ちにさせる。しかし僕はまだあと少しは、世界でいちばんタフな15歳の少年でありつづけなくてはならない。少なくともそのふりをしなくてはならない。一度大きく息を吸い込み、肺を空気で充たし、感情のかたまりをなんとか奥のほうに押しやる。</p><br />
<p><br />
<p>下巻　P.422</p><br />
<br />
<p>新潮社 ; ISBN: 4101001553 ; 下 巻</p>]]></description>
 <category>/life & survive</category>
<comments>http://www.cattiveria.com/blog/index.php?itemid=74</comments>
 <pubDate>Wed, 30 May 2007 05:58:40 +0900</pubDate>
</item><item>
 <title><![CDATA[半島を出よ #008 by ryu_m]]></title>
 <link>http://www.cattiveria.com/blog/index.php?itemid=73</link>
<description><![CDATA[<p>家を出てからこれまで警察でも施設でも、誰もがまず名前を聞いてきた。お前の名前は何だ。お前は誰だ。名前を言え。お前はなんて呼ばれているんだ。そんな歳にもなって自分の名前も言えないのか。そういう連中に対しては、殴られても脅されても絶対に自分の名前を言わなかった。名前を言わないだけなのに、頭がおかしいのだと決め付けられてた。名前を言いたくない人間がいるのがそんなに変なことなのだろうか。きっと名前を言わない人間が恐いのだろう。だから、名乗ることは屈服の第一歩なのだ。</p><p>（中略）<br>イシハラをはじめとして、ここの人たちはタテノに名前を聞かなかった。みんなの一緒にいて話したりしているとき、こいつのことは何と呼べばいいのだろうという表情をするので、タテノは自分から、タテノといいます、と名乗ることになった。自分から名乗るのは小学校以来だった。そういう感じでタテノの名前は、三ヶ月の間にみんなに自然と浸透した。同じようにしてタテノも他の仲間の名前を覚えた。</p><p>（中略）<br>ノブエさんから紹介されてきました。タテノはそう挨拶したが、イシハラは、あ、そう、と言っただけだった。誰もタテノのことをじろじろ見たりしなかった。歓迎も拒否もしないが、ここにいたかったらいてもいいよ、というような感じだった。</p><br />
<br />
<p>（上）P.078-079</p><br />
<p>幻冬舎 ; ISBN: 434400759X ; 上 巻 (2005/03/25) </p>]]></description>
 <category>/life & survive</category>
<comments>http://www.cattiveria.com/blog/index.php?itemid=73</comments>
 <pubDate>Thu, 22 Mar 2007 17:40:00 +0900</pubDate>
</item><item>
 <title><![CDATA[国境の南、太陽の西 #006 by haruki_m]]></title>
 <link>http://www.cattiveria.com/blog/index.php?itemid=72</link>
<description><![CDATA[<p>真夜中と夜明けを結ぶそれらの時間は、長く暗かった。ときどき、泣くことができれば楽になれるんだろうなと思えるときもあった。でも、何のために泣けばいいのかわからなかった。誰のために泣けばいいのかわからなかった。他人のために泣くには僕はあまりにも身勝手な人間過ぎたし、自分のために泣くにはもう年を取りすぎていた。</p><br />
<p>P.215</p><br />
<p>講談社 ; ISBN: 4062630869 ; (1995/10)</p>]]></description>
 <category>/expressiveness</category>
<comments>http://www.cattiveria.com/blog/index.php?itemid=72</comments>
 <pubDate>Tue, 20 Mar 2007 01:36:00 +0900</pubDate>
</item><item>
 <title><![CDATA[海辺のカフカ #009 by haruki_m]]></title>
 <link>http://www.cattiveria.com/blog/index.php?itemid=71</link>
<description><![CDATA[<p>「いや、あんたと話せて面白かったよ。またそのうちに…おいで。天気さえよければ。この時間にはこの空き地にいることが多い。雨が降っていると、あの階段を下りたところにある神社にいるよ」</p><p>「はい。ありがとうございます。ナカタもオオツカさんとお話ができまして、たいへん嬉しかったです。猫さんと話が出来ると申しましても、誰とでもこんな風にすらすらと話が通じ合うというものでもないのです。中には私が話しかけますと、ひどく警戒して黙ってどこかに行ってしまう猫さんもいらっしゃいます。私はただご挨拶しただけなのですが…」</p><p>「それはそうだろう。人間にもいろんなのがいるように、猫にも…いろんなのがいるからね」</p><p>「そのとおりであります。ナカタも実にそのように思います。世の中にはいろんな人がいますし、いろんな猫さんがいます」</p><p>オオツカさんは背筋をのばして空を見上げた。太陽が空き地に午後の黄金色の光を注いでた。しかしそこには雨のかすかな予感が漂っていた。オオツカさんにはそれを感じ取ることができた。</p><br />
<p>新潮社 ISBN: 4101001545 ; 上 巻</p>]]></description>
 <category>/expressiveness</category>
<comments>http://www.cattiveria.com/blog/index.php?itemid=71</comments>
 <pubDate>Sun, 11 Mar 2007 14:19:00 +0900</pubDate>
</item><item>
 <title><![CDATA[東京奇譚集 #005 by haruki_m]]></title>
 <link>http://www.cattiveria.com/blog/index.php?itemid=70</link>
<description><![CDATA[<p>「それはよかった」と淳平は言った。「すごく大事なことだよ、それは。職業というのは本来は愛の行為であるべきなんだ。便宜的な結婚みたいなものじゃなくて」</p><p>「愛の行為」とキリエは感心したように言った。「それ、素敵な比喩ね」</p><br />
<p>日々移動する肝臓のかたちをした石　P.133</p><br />
<p>新潮社 ; ISBN: 4103534184 ; (2005/09/15) </p>]]></description>
 <category>/expressiveness</category>
<comments>http://www.cattiveria.com/blog/index.php?itemid=70</comments>
 <pubDate>Sat, 10 Mar 2007 03:02:00 +0800</pubDate>
</item>
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